(1)連帯保証について
1 契約書作成のデメリットはあるのか
売買の際の金銭の授受は口座振込で間違いがない、土地の名義移転に必要な書類も既に渡している、このような場合について、インターネットで調べると、「契約書は必ずしも必要ではない、契約書に売買代金を記載すると200円でよい収入印紙が1万円(1000万円以下)、1万5000円と必要になる」といった記載もあります。たしかに、この点では売買契約書に金額を記載することで、収入印紙税の点では、デメリットがありえます。
しかし、やはり、契約書を作成することをお勧めします。売買後にも、想定と面積が違った、固定資産税をどうするか、といったことは問題となりえます。
税金を記載せずに、その他の事項だけ合意書を作成すればいいかもしれませんが、売買代金を記載しない場合、かえって税務申告の際に、売買代金が明らかではないとして追求を受けるリスク?もありえます。売買代金を含めて記載した契約書を作成し、最低限、対象となる土地の表示、固定資産の負担、瑕疵担保条項、実測による売買か、は記載したほうがいいでしょう。
2 書式
以下のような書式を参考としてください。なお、本件が想定したのは、紛争を想定していない簡単な売買契約の例です。
土地売買契約書
売主Aを甲、買主Bを乙として、以下に表示の土地(「本件土地」という。)について、次のとおり売買契約を締結する。
本件土地の表示
所在 福岡市○○
地番 123番45
地目 宅地
地積 678.90u
第1条 甲は乙に対し、甲の所有する本件土地を以下の約定により売り渡し、乙はこれを買い受ける。
第2条 本件土地の売買代金は金6789万円とし、平成28年2月末日限り、甲の指定する口座に振り込む方法により支払う。
第3条 本件土地の面積は公簿面積によるものとし、乙は実測面積の増減について一切の異議を申し立てない。
第4条 甲は本件土地の所有権移転登記を平成24年3月末日までに行う。
第5条 甲は乙に対し、本件土地についての抵当権、質権、先取特権、賃借権(乙の賃借権は除く)等、乙の完全な所有権を妨げる権利の負担を消滅せしめ、完全な所有権を移転しなければならない。
第6条 本件土地に対する公租公課は、所有権移転登記完了を基準として、その日までに対応する分を甲、その日以降に対応する分を乙の負担とする。
第7条 本件土地の所有権移転登記に伴う登記費用は甲の負担とし、その他の契約に要する費用は甲乙折半して負担する。
第8条 瑕疵担保責任については、民法の定めるところによる。
以上、本合意成立の証として本書3通を作成し、甲、乙、は署名押印の上、各1通所持する。
平成 年 月 日
買主(甲) 住所
氏名 印
売主(乙) 住所
氏名 印
回答者 弁護士 小川 剛
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