弁護士の視点で

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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和8年5月号》
カスタマーハラスメント対策入門26

カスタマーハラスメント対応 防止できる方法を考える

カスハラに関する裁判

 カスハラについて、裁判に発展する例があります。ネット情報あるいは書籍等でカスハラの裁判例として紹介されている事例を検討したいと思います。 カスハラの裁判としては、@会社が加害者に対し損害賠償を求め裁判とする例、A従業員がカスハラ対応に落ち度があったとして企業に損害賠償を求め裁判とする例、Bカスハラ加害者に対する刑事裁判、といった例があります。いずれもが発生した場合、会社がとるべき対応について検討したいと思います。

介護施設に関する裁判例
東京地判令和3年7月8日判決のご紹介です。
事案は、被告の母が施設に入所しており、以下のような被告の暴言により、契約解除の上、退去を求める裁判となります。なお、この事件では退去まで違約金の請求もなされ、認容されています。

・カスハラの内容
被告から原告の職員に対する「馬鹿野郎」,「お前なんかやめちまえ」,「○○なのに,何の提案もできないナースは辞めろ,いる意味がない」,「あんなくそナース,辞めちまえ」「あんなのクビだろ」「俺が指示しなきゃなんの提案もできない施設か」「医師の指示,医師の指示って,何もしねえ○○かよ」「夜間ほぼほぼ何もやってねえよ」「何が忙しいだよ,ほんと酷い施設だな」,「刑事裁判を起こす」,「裁判の勝ち負けが問題ではなく,訴えを起こすことが大切」,「看護職員より免許を奪う方法はあるのか」,「ここを出ていく時はスタッフを個人名で訴える」などの暴言,脅迫。また,ホーム長を「エンドウ豆,チビ」,その他の職員を「デブ」や「ハゲ」などと,人格否定や侮辱等の意味合いを持つ呼び方をしていた。

あまりにも酷いカスハラ発言内容ですが、施設はこれを止めるように被告に求めていましたが、それでも応じなかったところ、契約解除をし、その解除が有効とされています。

 ポイント
@家族のハラスメントも、本人の契約解除事由とする。
 介護施設等では、契約書において、家族のハラスメントを理由に契約解除できると明記しておくことが重要です。

A事実の証拠化
 カスハラについて本件でも全て録音があったわけではないようですが、一部、録音があったようです。録音は大きな証拠になります。また、仮に録音がなかったとしても、メモをとる、先方への通知書に記載するなどにより記録化、証拠化することが重要です。

B契約は解除できる
  改善を求めても改まらないのであれば、家族のカスハラを理由に契約解除できる道があると考えます。

                                            以上

 本説明は本原稿掲載日(令和8年4月)時点の情報により記載され、適切に更新されていない可能性がありますので、ご注意下さい。

回答者 弁護士 小川 剛
小川・橘法律事務所
810-0041福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル8F
電話092-771-1200 FAX 092-771-1233
HP  http://t-o-law.com/
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