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1. はじめに
今回は、オフィスビルのオーナーにとって、賃料の値上げ交渉するタイミングはいつが良いのかを解説します。
2.オフィスマーケットサイクル
オフィス賃貸市場は、景気動向やオフィスビルの新規供給により、賃料の上昇と下落のサイクルを繰り返しています。一般的には賃料が上昇している局面の方が、賃料の値上げ交渉をしやすいと考えられます。しかし、福岡市では天神ビッグバンによるオフィスビルの供給過多により、賃料は下落局面を迎える可能性が高まっています。
現在の福岡市のオフィス賃貸市場は、以下の通り賃料上昇と賃料下落の端境期に位置します。
3.賃料値上げ交渉のタイミング
賃料の改定交渉を当事者間で行う場合であっても、手元資料として鑑定評価書を取得するメリットは多いと考えます。なぜなら、賃料の増額を目的とする交渉の場合、賃料増額の可能性の有無や賃料増額幅を予め把握することが出来るからです。
継続賃料の評価で重要となるのは、当事者間で現行の賃料を合意した「直近合意時点」です。継続賃料は、原則として直近合意時点から価格時点までの事情変更を考慮する評価ですので、直近合意時点がいつの時点かは決定的に重要です。
これをオフィス賃料の改定交渉に当てはめると、値上げを申し入れる時点(価格時点)と直近合意時点のオフィス市場の新規賃料の比較を行うことにより、賃料増額の可能性が判定出来ます。例えば、直近合意時点の新規賃料が坪10,000円であるのに対して、値上げを申し入れる時点(価格時点)の新規賃料が坪20,000円である場合は、賃料を増額できる可能性が高いと考えられます。
4.最後に
次回も継続賃料を説明します。
回答者 不動産鑑定士 佐々木 哲
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