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1. はじめに
今回は、定期借家制度と賃料改定について解説します。
2.定期借家制度とは
普通借家契約では、いったん建物を賃貸すると、賃貸人は「正当事由」がなければ賃借人からの契約の更新を拒絶することができないため、借家関係が続くというの原則です。このため、築年数が経過した賃貸住宅の建て替えなどが進まない等のデメリットがありました。
こうした中で、平成12年に「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」による定期借家制度が施行されました。定期借家制度は、契約で定めた期間が満了すると、更新されることなく、確定的に賃貸借契約が終了するため、物件の所有者は契約期間が明確になり、経済合理性に則った賃貸経営が可能になります。従って、定期借家制度は、賃貸人サイドに大きなメリットがある制度と考えられます。
3.定期借家と従来からの普通借家契約との比較
| 定期借家契約 | 普通借家契約 |
| 契約方法 | @書面による契約A契約書と別に「更新がなく、期間 の満了により終了する」ことを 書面により説明する | 書面でも口頭でも契約が成立 |
| 更新の有無 | 契約満了により終了し、更新がない | 正当事由がない限り更新 |
賃料の増減に関す る特約の効力 | 賃料の増減は特約の定めに従う | 特約にかかわらず、当事者は賃料 の増減を請求できる |
1年未満の建物 賃貸借の効力 | 1年未満の契約も有効 | 期間の定めのない賃貸借とみなされる |
4.定期借家契約と賃料改定
定期借家契約の場合、当事者間で賃料を増減しない旨の特約を設けることにより、借地借家法の規定(借地借家法第32条)を排除することが可能です。したがって、このような特約を設定した場合は、当事者間の合意が優先され、賃料の改定が出来ないことになります。
5.最後に
次回も継続賃料を説明します。
回答者 不動産鑑定士 佐々木 哲
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