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1.はじめに
為替レートの円安を受けてインバウンド客が増加する中で、2025年11月に中国政府は日本への渡航自粛を公表しました。本稿では、中国の渡航自粛が福岡のホテル市場に与える影響について分析します。
2.インバウンドは過去最高を更新
日本政府観光局が公表した2025年のインバウンドは、前年の3,687万人より+15.7%増加し、4,268万人と過去最高を記録しました。中国の渡航自粛要請は2025年11月のため、かかる影響が軽微であり、2025年の年間訪日客数に影響が出なかったものと考えられます。
しかしながら、2026年は、中国の渡航自粛の影響が顕在化し、2026年1月は前年同月比△4.9%、2月は同+6.4%、3月は同+3.5%、4月は同△5.5%、5月は同△3.6%とマイナスに転じる月が現れており、1月〜5月の合計も前年同期比△1.1%のマイナスになりました。以上を踏まえると、中国人旅行客が減少した影響は顕在化しているものの、インバウンド全体への影響は軽微であると言えます。
3.インバウンドの国別の割合が変化
昨年(2025年)のインバウンドの国別の割合は、韓国:22.2%、中国:21.3%、台湾:15.8%、香港:5.9%、アメリカ:7.7%でした。中国の渡航自粛の影響が顕在化した2026年1月〜5月の国別の割合は、韓国:27.2%、中国:9.6%、台湾:18.4%、香港:6.0%、アメリカ:8.2%になりました。つまり、中国の占める割合が半分以下に落ち込む一方で、韓国、台湾、アメリカの割合が増加することによって、中国の減少分が補完されたことが分かります。
4.中国人旅行客の減少が大きい都道府県は?
都道府県別訪問率ランキングによると、2025年に中国人が訪問した都道府県は、大阪府:57.3%、東京都:50.3%、京都府:38.9%、千葉県:34.9%、奈良県:15.2%となっています。つまり、中国人観光客は、東京、大阪、京都などのゴールデンルートに集中していたことが分かります。
5.今後のインバウンドへの対応について
福岡県においては、インバウンド客の大半が韓国であるため、今回の中国の渡航自粛の影響は少なく済んでいます。しかしながら、中国の渡航自粛は、特定の国に依存するリスクを示しており、韓国人客に依存する福岡の危うさを表しているとも言えます。したがって、長期的に安定的なホテルの運営を行うためには、国内客を重視したバランスの取れた経営が望ましいと考えます。
4.最後に
次回も継続賃料に影響を与える内容を説明します。
回答者 不動産鑑定士 佐々木 哲
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