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福岡!企業!元気!のための年金ワンポイント 《平成25年11月号》
年金の改正について

今月号は直近の年金の改正事項についてお話します。

〇年金額が下がります(平成25年10月より)
 従来「本来物価が下がれば、年金額も下がる」という仕組みになっていましたが、平成12年度〜14年度はいろいろな事情から据え置かれていました。この据え置かれていた年金額のことを「特例水準」といいます。
 また、この特例水準とは別に平成16年に物価が下がった時には年金を下げるよという新しい仕組みを作っていました。このしくみの年金額のことを「本来水準」といいます。この2つのしくみの差が2.5%ありますので、今回3年間にかけて是正することになったのです。平成25年10月に1%、平成26年4月に1%、平成27年4月に0.5%下がる予定です。
 仮に年額180万円(月15万円)もらっている人がいれば、1回の支給額で3,000円少なくなります。高齢者にとって、消費税は上がるし、年金は下がるということになり、生活がますますきつくなっていくもの思われます。

〇年金をもらえる資格の緩和(平成27年10月予定)
 現在は年金をもらうためには、厚生年金・共済年金・国民年金合わせて原則25年の資格が必要です。消費税が10%になればというまだ不確かなところはありますが、その25年を10年にするというものです。無年金者を少なくするための改正です。これで約17万人がもらえるようになるということです。ただし、誤解したらいけないのは、10年払えば25年分もらえるのではなく、払った保険料に正比例した年金しかもらえませんので、10年で金額が少ないのは当然です。
 国民年金だけに加入した人ですと受給金額は次のようになります。
 【従来】778,500円÷480月×300月(25年)=486,563円(月40,547円)
 【10年になれば】778,500円÷480月×120月(10年)=194,625円(月7,885円)

〇遺族基礎年金の対象者拡大(父ももらえる!)
 国民年金や厚生年金に加入中の父親が死亡した場合、一定の条件はありますが、高校卒業前の子とその母には遺族基礎年金が支払われます。これまでは母親が死亡して、父と子が残された場合、遺族基礎年金がもらえる規定がありませんでした。それを母親の死亡が平成26年4月1日以降であればその子と父にも支払われるようになるということです。(予定)

〇その他
 「被用者年金一元化法」が平成24年8月10日に成立し、予定として平成27年10月1日から共済年金と厚生年金が一元化されるとなっています。
 主に官民格差だといわれていた、職域加算(老齢厚生年金の2割相当の3階部分が公務員全員にある)・60歳以後民間で働いた時の調整規定が公務員に非常に有利・転給(死亡後に年金がもらえる権利が移っていく)等が本当に厚生年金と同じになっていくのか、早期の実現はかなり難しいのではないかと感じていますが、成り行きに注目していきましょう。

回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
堀江社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士 堀江 玲子
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