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依頼者は、私の事務所から比較的近い公営住宅にお住いの48歳単身男性でした。面談日は退院直後という事でご自宅に伺う事になりました。まず度肝を抜かれたのが、座る場所を除いて、入居依頼10年以上一度も掃除していないのではないかと思うほど、床のホコリが数センチ堆積していることでした。
その上お会いしたら身長190cm近く、体重122キロの巨漢の男性(最高は140キロ)、その大きさに圧倒されました。
しかし、話してみると心優しい男性で、働く意欲もある方でした。両親は本人が十代の時に亡くなり、お兄さんがいるが遠方に住んでおり、連絡もほとんどしていないとのこと。ソフトバンクのファンというそれだけの理由で中部地方から福岡に転居してきたのです。
長年トラックの運転手をしており、お酒は全く飲めない方なのですが、食生活に無頓着だったのでしょう。たまたま、フォークリフト免許試験場で転倒し右側腹部打撲、下血の為受診した所、肝硬変を伴う食道静脈瘤の診断後入院となったのです。傷病の原因は肥満と記載されていました。働けないことからまず傷病手当金申請の説明をしました。本人は行政にできれば頼りたくないが、貯えもない為、生活保護の相談もするとおっしゃっていました。
障害認定日請求が可能でしたので、肝疾患用の診断書を2枚取得してみることにしました。しかし、障害認定日当時一般状態区分は、(ア)『無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの』となっていましたので、事後重症請求を行うことにしました。
現症の一般状態区分は(イ)『軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの』です。
しかし、内容的にはかなり悪化している診断書でした。
臨床所見の自覚症状は、全身倦怠感がありだけですが、他覚所見(肝委縮:著、脾腫大:有、浮腫:著、腹水:有(難治性)、黄疸:有、腹壁静脈怒張:有、出血傾向:有)となっています。
Child-Pughによるgradeはc−11であり、重症度はかなり高いです。
診断書Oの現症時の日常生活活動能力及び労働能力は『自力での通院は可能で、軽度の労働は可能と考える』とあります。
P予後は、6か月〜1年なのです。
結果は3級でした。本人から「傷病手当が受給できるようになったので生活保護は医療扶助のみとなりました。成功報酬は1か月分ずつの分割でお願いします。」と連絡があり、振込でいいですよと伝えたのですが、2回とも受診の帰路に私の事務所に直接持って来てくれました。その後の連絡はありません。2年ほど経過しましたので、誰にも看取られることなく亡くなられたのではないかと危惧しています。
回答者 特定社会保険労務士 堀江 玲子
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