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許認可事業のココロエ
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山陽道トンネル事故のその後について |
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今年3月17日午前7時25分ごろ、広島県東広島市の山陽自動車道の八本松トンネルにおいて、中型トラックが渋滞で停車していた車列に追突し、車12台が衝突、うち5台が炎上し、2名が死亡、8名が負傷するという事故が発生しました。
【事業者のその後】
埼玉県川口市のゴーイチマルエキスライン株式会社は、7月に「ツカサ運輸株式会社」と商号を変更して、現在も貨物自動車運送事業を営んでいるようです。
【 運転者と運行管理者の逮捕 】
事故を起こした運転手は「自動車運転処罰法違反(過失運転致死) 」で逮捕されていましたが、当該事業者の統括運行管理者(事業者の役員でもあるようです。代表者と苗字が同じなので親族の可能性があります。 )も事故を起こした運転手が過労と正常な運転ができないおそれがあると認識しながら運転を指示したとして、 「道路交通法違反(過労運転の下命) 」容疑で逮捕されました。
逮捕された運転者の公判で事故前の約2カ月半の間に3日しか休みがなかったと指摘されているようで、事故前の1か月間の労働時間は、国の基準(320時間)より100時間以上多かったと報道されています。
【 貨物自動車運送事業法の行政処分 】
この旧ゴーイチマルエキスライン(現 ツカサ運輸)は平成25年12月16日に監査を受けており、11件の違反があったとして、今年の3月23日に70日車の車両停止処分を受けていました。 そして今回の事故を端緒に平成28年3月18日監査を実施した結果、15件の違反が認められ、事業の停止(7日間)、輸送施設の使用停止(120日車)の処分を受けています。
(1)乗務時間等告示の遵守違反
いかがですか?上記のうち最初の行政処分の(1)〜(7)は、今回の事故による監査の行政処分でも同じように指摘されています。改善されていないということです。確かに(8)〜(11)は改善されていますが、日常の安全確保に重要な乗務時間の遵守や健康診断、点呼などは改善されておらず、再度違反しています。このような運行管理では、事故を起こして当然という状況だったようです。 回答者 特定行政書士 久々宮典義
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