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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第70号 □■□
リスク法務実務研究会
◇◆◇ 土地(戸建住宅地)を買うときに気をつけるべきこと ◇◆◇

 今回は土地(戸建住宅地)を買うときに気をつけるべきことについてお話をしていきます。
 市町村はその範囲において都市計画区域が線引きされた市町村と線引きされていない市町村とがあります。
 線引きされた市町村は都市計画区域と都市計画区域外に分けられ、都市計画区域は市街化区域と市街化調整区域に分けられます。
 以下、都市計画区域内で戸建住宅地の取得を考えた場合について話をしていきます。

 まず、家は何処にでも建てられるものではないということです。
 市街化区域内の土地であれば、大体家を建てることが出来ますが、市街化調整区域内の土地の場合、原則として一般の人が家を建てることは出来ません。
 また、市街化調整区域内の土地で建物が建っている場合でも、100%建替え可能とは言えないので、将来建替えを考えている人は、建替えが可能かどうか役場等で確認する必要があります。

 次に、市街化区域内の場合でも建築基準法上の道路に2m以上接面していないと家を建てることができません。
 建築基準法上の道路とは大雑把に言って幅員4m以上の市町村道や4m未満ではあるが昔(建築基準法施行以前)からその道路に建物が建ち並んでいる道路のことです(セットバックが必要となる)。
 これは火事等が発生した場合に消防車等の進入の確保が必要と考えられているからと思われます。
 建築基準法上の道路に該当するかどうかは、県土整備事務所の建築指導課等で教えてくれます。

 また、市街化区域内には用途地域が指定されています。
 用途地域とは第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域の12地域に分けられます。
 用途地域とは簡単に言えば、各市町村内において利用方法を地域ごとに区別して土地を有効に利用しようと考え区分した地域のことです。
 戸建住宅として最も好ましい用途地域は第1種低層住居専用地域及び第2種低層住居専用地域で、文字通り低層住宅に係る良好な住環境の保護をするための地域であり、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)及び容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)が低く抑えられ、戸建住宅に関して、居住の快適性が担保された住宅地域です。
 さらに地域によっては地区計画(住民の合意に基づいて、それぞれの地区の特性にふさわしいまちづくりを誘導するための計画、例えば道路に面する垣やさくは生垣にしなければならない等)が設定された地域もあります。

 このように行政上の制限だけを見てみても、色々とあり、自分の求めている地域を探すことが大切です。

不動産鑑定士 小池 孝典

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《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第69号 □■□
リスク法務実務研究会
◇◆◇ 介護の現状と民間介護保険 ◇◆◇

 最近「長生きリスク」という言葉を耳にすることが増えています。
 一般的にリスクと言うと「入院」や「死亡」のイメージですが、超高齢化社会を目前にして、長生きもリスクになる時代なのです。
 大別すると、「長生きして貯蓄を使い果してしまうリスク」と「病気や痴呆・介護状態になった場合のリスク」です。
 実際、平成22年の生命保険文化センターの不安意識の割合調査によると、僅差ではありますが、初めて介護への不安が一位になりました。

1.自分の介護 89.8%
2.ケガや病気 89.3%
3.老後生活 85.8%
4.遺族の生活 68.4%

 同じ調査の中に介護保障について「準備をしていない」割合が55.3%とあります。
 つまり、漠然と不安はあるけれども何を準備すれば良いかわからないという訳です。
 そこで実際の介護の現状を厚生労働省発表の介護給付費実態調査・介護保険事業状況報告より確認してみましょう。

1.介護認定者数の増加
 H12年4月…第一号被保険者2165万人に対し、認定者数218万人。
 H22年3月…第一号被保険者2892万人に対し、認定者数485万人。
 65才以上の第一号被保険者が1.3倍増加に対し、認定者数は2.2倍に増えています。
 今後ますます高齢者の割合が増える中、今の医療保険制度と同じように、介護保険制度も自己負担割合や保険料の引き上げがあるかもしれません。

2.受給者数の割合
 認定者の内、実際に介護保険の受給を受けているのはH23年4月の調査で80.1%。
 男性は76.6%で女性は81.7%と男女差があります。
 認定されても、自己負担分が払えないとか、家族が介護してサービスを使っていないなどの理由で、受給しない人が2割いるのが現状です。

3.平均利用率と受給額
 要介護5であれば、支給限度額は358,300円(自己負担は1割)ですが、同調査では実際の受給平均額は218,153円となっています。
 実態としては、限度額を超えても満足のいくサービスを受けたいという余裕のある世帯と、1割の自己負担分が重荷となって支給限度額まで使わない世帯の二極化と言われています。

 このような現状と介護に対するニーズの高まりから、最近は保険会社が様々な「介護保険」を販売しています。
 保険のタイプも各社色々ですので、選ぶ際の判断基準のポイントを自分で明確にしておきましょう。

1.介護状態の認定方法は公的介護保険と連動するのか、保険会社独自の規定を設けているのか?
 当然ながら保険会社が認定しなければ、給付金は受け取れません。
 認定までの要件や待機期間等を確認してみましょう。

2.所定の要介護状態になった時に一時金が出るのか、年金が出るのか?
 一時金は改装費用や施設への入居費などに充てられます。
 年金は継続的に受け取れますので、自己負担分や利用額を超えるサービス分、家族の収入減への備えにもできます。
 実際に介護状態になった時に誰とどこでどんな生活をするのか。
 自分の家族構成や住居環境等を考えてみましょう。

3.保険期間は何歳までか?  若い時に介護状態になった場合も心配ですが、やはり高齢になるほど介護への不安は大きくなります。
 一生涯保障が続くタイプであれば、安心でしょう。

4.貯蓄性があるのか、掛け捨てか?  介護状態にならなくても年金としてあるいは死亡保障として必ず受け取れるタイプは、貯蓄性がある分、保険料は高めになっています。
 介護のみの保障に特化した掛け捨ての安い保険もあります。

 実際に介護状態になった場合には、家族の精神的・肉体的負担はかなり大きい事は想像できるでしょう。
 せめて経済的負担を軽減できるよう、長生きリスクについて、一度考えてみて下さい。

CFP・1級FP技能士 田名網 亜衣子

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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第68号 □■□
リスク法務実務研究会
◇◆◇ 賃金 ◇◆◇

 メルマガ読者の皆様こんにちは。
 社会保険労務士の大橋です。
 毎回、皆様の身近なことをテーマにして配信しております。
 今回は「お給料」についてお話をしましょう。

 お給料は皆様の生活を支える大切なものです。
 労働基準法においても賃金の支払いに関しては厳格にその方法を定めてあります。
 労働基準法第24条を一部抜粋しますと、

 1、賃金は通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。
 2、賃金は毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。

 とあります。
 原則として通貨は小切手や現物で支払ってはいけないのです。
 また賃金を仕事の仲介人や代理人に支払うこともだめです。
 さらに労働者への貸付金を、同意もなく賃金から控除することもしてはいけないのです。

 ただし例外はあります。
 たとえば銀行口座への振込や社会保険料の控除など、厚生労働省が定めた項目や労働協約で取り決めた事案(交通費を現物である定期券で付与するなど)に限っては例外を認めるということです。
 ですので銀行口座でお給料を受け取っている皆さんは例外的な方法によりお給料を受け取っていることになるのです。

 次に会社を退職した際に支払われる「退職金」はどうでしょう。
 そもそも退職金は賃金でしょうか?
 皆様はどうお考えになりますか?
 法の解釈はこうです。
 退職金の支払いを個々の労働契約または就業規則ではっきり明記してある場合は賃金に該当する。
 逆に、労働契約書や就業規則で何も明記していない場合は賃金に該当しないというのが定説です(もちろん例外もありますが)。
 皆様がお勤めの会社にも就業規則があるでしょう。
 その中には賃金などの大事な規約も含まれています。
 一度しっかりと目を通しておくのも良いのではないでしょうか。

社会保険労務士 大橋 正郎

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ライン ≪書籍出版のお知らせ≫

 リスク法務実務研究会が、書籍を出版します。
 タイトルは、『りすくのくすり 相続特集』です。
 リスク法務実務研究会の有志18名による共著ですが、半分以上の著者が「相続」というテーマについて、それぞれの専門分野の視点から執筆したちょっと珍しい書籍です。
 18名の著者のほとんどが、このメルマガの執筆者です。

 発売予定は、9月下旬頃の予定です。
 よろしくお願い致します。

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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第67号 □■□
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◇◆◇ 雇用促進税制 ◇◆◇

 平成23年度税制改正法案から分離・修正された「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」が平成23年6月22日に成立し,平成23年6月30日に公布・施行されました。
 今回は,その中から『雇用促進税制』について取り上げます(所得税にもありますが,法人税について記載します)。

[創設された制度の概要]
 青色申告法人が,平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度において,当期末の雇用者の数が前期末の雇用者の数に比して5人以上(中小企業者等については2人以上)及び10%以上増加していることにつき証明がされるなど一定の場合に該当するときは,20万円に基準雇用者数を乗じて計算した金額の税額控除ができることとされました。
 ただし,当期の法人税額の10%(中小企業者等については20%)相当額が限度とされます。(措法42の12)

【適用要件】
この制度の適用を受けるためには,次の1ら7での要件を全て満たしていることが必要です。
1 青色申告書を提出する法人であること。
2 前期及び当期に事業主都合による離職者がいないこと。
3 基準雇用者数 ≧ 5人(中小企業者等については2人)
  ※基準雇用者数=当期末の雇用者の数−前期末の雇用者の数
4 基準雇用者割合 ≧ 10%
  ※基準雇用者割合=基準雇用者数/前期末の雇用者の数
5 給与等支給額 ≧ 比較給与等支給額
 1 給与等支給額とは,当期の所得の金額の計算上損金の額に算入される給与等(雇用者に対して支給するものに限られます。)の支給額をいいます。
 2 比較給与等支給額
=前期の給与等の支給額+(前期の給与等の支給額×基準雇用者割合×30%)
6 雇用保険法第5条第1項に規定する適用事業(他の法律により業務の規制及び適正化のための措置が講じられている事業として政令で定めるものを除きます。)を行っていること。
7 次の事業年度でないこと。
 1 設立(合併による設立を除きます。)の日を含む事業年度
 2 解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度
 3 清算中の各事業年度

※1 雇用者とは,法人の使用人のうち雇用保険の一般被保険者であるものをいい,使用人から役員の特殊関係者及び使用人兼務役員は除かれます。
※2 中小企業者等とは,中小企業者又は農業協同組合等をいいます。
   なお中小企業者とは,資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下の法人のうち次に掲げる法人以外の法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人をいいます。
イ 発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上が同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人をいい,中小企業投資育成株式会社を除き ます。)の所有に属している法人
ロ イのほか,発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上が大規模法人の所有に属している法人
※3 前期とは,当期開始の日前1年以内に開始した各事業年度をいいます。
※4 5について,前期の月数と当期の月数とが異なる場合には,所要の調整が必要です。

【税額控除限度額】
 税額控除限度額=基準雇用者数×20万円
 (当期の法人税額の10%(中小企業者等については20%)相当額を限度)

【手続要件】
1 この制度の適用を受けるためには,事業年度開始後2カ月以内(平成23年4月1日から平成23年8月31日までの間に開始する事業年度については,平成23年10月31日まで)に公共職業安定所に雇用促進計画の提出を行い,都道府県労働局又は公共職業安定所で上記【適用 要件】の2から4までの要件について確認を受け,その際交付される雇用促進計画の達成状況を確認した旨を記載した書類の写しを確定申告書に添付する必要があります。
  なお,雇用促進計画の提出に係る様式や手続方法等については,厚生労働省のホームページ又は所轄の公共職業安定所でご確認ください。
2 この制度の適用を受けるためには,確定申告書又は仮決算による中間申告書に控除を受ける金額の申告の記載及びその金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。
【適用時期】
  平成23年4月1日以後に開始する事業年度(平成23年6月30日前に終了する事業年度を除きます。)分の法人税について適用されます。

【厚生労働省のホームページ】
 ≪雇用促進税制≫
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/koyousokushinzei.html
 ≪雇用増加企業向けリーフレット≫
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/dl/koyousokushinzei_01_leaf.pdf
 ≪雇用促進計画記入に当たっての注意≫
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/dl/koyousokushinzei_02_pamp.pdf

税理士 鵜池 隆充

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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第66号 □■□
福岡☆リスク法務実務研究会
◇◆◇ 転貸借契約について ◇◆◇

 私は行政書士という仕事をしている関係上、賃貸借契約書を目にすることがよくあります。
 多くの許認可申請で営業所等の使用権原について確認することがあるからです。

 例えば一般貨物自動車運送事業では、営業所・休憩睡眠施設・車庫の使用権原を証する書面を申請書に添付します。
 また宅建業免許申請では新規申請の際には賃貸借契約書等を添付することが必要です。
 建設業については福岡県知事許可の場合、申請後の営業所調査の際に確認されます。

 このときに困るのが転貸借をしているケースです。
 よくあるケースとしてA社が所有者と賃貸借契約をしていて、別会社であるB社が物件を使用して申請をしようとするというものです。
 このB社はA社の子会社の場合もあるし、A社とB社は株主や社長が同一である場合もあります。
 もちろんまったく関係ない会社であることもあります。
 これらの場合、ほとんどが所有者の承諾を得ていない無断での転貸借契約であることが大変多いです。

 いわゆるまた貸し、転貸借についてはほとんどの賃貸借契約書に承諾事項として、下記のような条項が入っていると思います

第○○条 乙は、次の各号のいずれかに該当する行為を行おうとするときには、あらかじめ甲の書面による承諾を得なければならない。
 「本物件の全部又は一部につき、賃借権の譲渡、転貸若しくは使用貸借をなし、あるいは、本物件を第三者に使用させ、若しくは乙以外の名義を表示しようとするとき」

 契約書に記載がなくても、民法上も禁止されています。

民法612条(賃借権の譲渡及び無断転貸の制限)
1 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
2 賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。

 では、無断転貸したら契約違反ではあるがすぐに契約を解除することができるのでしょうか?
 判例では「賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある場合」には解除できないとされています。
 無断でまた貸ししたとしても、それによって賃貸人と賃借人の信頼関係が崩されるというほどのことはない場合には解除できないということのようです。

 賃貸借契約は解除されなくても、様々な場面で不都合が生じます。
 私が最近経験したケースでは、B社が銀行から融資を受けようとして、事務所の使用権原を証する書面を求められた件です。
 所有者と賃貸借契約をしていたのはA社で、B社は株主も社長もA社と同じで従業員もA社と兼任していたので、特に所有者の承諾を得ていなかったのです。
 それでは銀行側も納得しないので所有者に承諾書をもらおうとしたら、所有者さんはA社に貸しているのであってB社のことは承諾できない、と言われたのです。
 結果としては、私が承諾のお願いやA社とB社の関係についての書面を作成し、所有者に提出して承諾を得ることができましたが、下手をすると融資の話が無しになっていたかもしれません。

 賃貸借契約締結後に、別の会社をそこで設立するなどの予定がある場合には、賃貸借契約をする際に所有者にその旨を事前に伝えておくなどの対策をとっておいたほうが無難でしょう。
 簡単に承諾をしてもらえると思ったら意外な落とし穴があるかもしれません。

行政書士 久々宮典義

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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第65号 □■□
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◇◆◇ B型肝炎訴訟 ◇◆◇

 先日テレビなどで報道されたように,B型肝炎訴訟についての国との基本合意が平成23年6月28日に成立しました。
 B型肝炎訴訟は,集団予防接種等の実施に際し,注射器等の連続使用が行われたことにより,多数の被接種者がB型肝炎ウイルスに感染してしまったという被害に対する国の責任を追及する訴訟です。
 現在は,札幌や福岡を中心として全国10カ所で訴訟が提起されていますが,最初はたった5名の感染被害者によって訴訟が提起されていました。
 そして,平成18年6月16日に,最高裁判所第二小法廷判決によって,この感染被害に対する国の責任が認められました。

 この最高裁判決は,予防接種と,原告らの感染との因果関係を,緩やかな基準で肯定しました。
 B型肝炎においては,免疫機能が不十分な乳幼児期(6歳まで)に感染しない限り慢性化しないという知見を前提とし,その有力な感染原因としては,1キャリアの母親からの分娩の際の母子感染,2集団予防接種における回しうち,3輸血しかないことから,1と3が否定できれば,国の責任が問えるというものでした。
 しかし,この判決は,原告となった5名の感染被害者にかかるものであったため,他の感染被害者や遺族の方々に対する救済措置が講じられなかったことから,国との協議を何度も重ねた結果,今回の基本合意の成立に至ったのです。
 今後は,基本合意の内容にそって訴訟を提起し,症状に応じて和解金を支払ってもらっていくということになっていきます(基本合意書の内容は厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou/b-kanen/)で閲覧できるようになっています)。
 集団予防接種の際の注射器の連続使用により,B型肝炎ウイルスに感染した方はまだまだ多数いると考えられています。
 基本合意成立後,全国B型肝炎九州訴訟弁護団(http://www.hbvq.info/index.html)は,平日の9時から12時,13時から17時までの時間帯において,電話相談を行っております。
 同弁護団としては,基本合意の内容に従って手続きを進めていきますので,中には同弁護団に加入していただけない方もいらっしゃるかもしれませんが,B型肝炎と診断されていてどうしようかと考えておられる方がいらっしゃれば,電話で相談だけでもしていただければと思います。
 基本合意が成立したとしても,まだまだこの問題が解決したわけではなく,真相究明や恒久対策など多くの課題が残っていますので,全体的な解決までの道のりはまだまだ遠いものです。

弁護士 井上 敦史

◇お盆期間の配信に関するお知らせ
 当メルマガをご愛読いただき、ありがとうございます。
 毎週どの専門家から届くかお楽しみ!という世にも珍しい「ミステリーメルマガ」を自負しております(笑)
 さて、毎週発行を原則と致しておりますが、お盆期間は休刊とさせていただきます。
 従いまして、次回8月9日(火)配信の次は、8月23日(火)の配信を予定しております。
 引き続きよろしくお願い致します。

リスク法務実務研究会 主宰 安藤 政明

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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』64号外 □■□
福岡☆リスク法務実務研究会
◇◆◇ HP開設のお知らせ ◇◆◇

 お世話になっております。
 本会は、5月にホームページ委員会を組織し、ネットリスクアドバイザーの深町委員長が中心となって、ホームページ作成に取り組むことになりました。
 HP委員5名が集まって会議をしたのが1回。
 その後はメールでの連絡のやりとりが中心となり、今月に入ってから会員ページの作成に入りました。
 ホームページの作成作業は、深町委員長が単独で行ったものです。
   そしてついに先日公開することができましたので、報告致します。
 よかったらのぞいてみて下さい。
 手作りとは思えない良いできだと、本会会員の多くの意見です。
http://www.riskhoumu.com  ホームページは、さらなる充実を目指して更新していく予定です。
 今後とも引き続きよろしくお願い致します。

リスク法務実務研究会 安藤 政明

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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第63号 □■□
福岡☆リスク法務実務研究会
◇◆◇ 年金制度改革のゆくえ ◇◆◇

 6月17日に政府・与党社会保障改革検討本部が今後の社会保障改革案をまとめました。
 今回は今後の年金制度がどうなるかにスポットをあててご紹介します。
 ただ「案」なので今後、国会運営の中で議論され、変更になる可能性もあるかと思います。

●税制抜本税制改革とともに、2012年以降速やかに法案を提出し、順次実施
 ・最低保障機能の強化(低所得者への加算、障害基礎年金への加算、受給資格期間の短縮)
 ・高所得者の年金給付の見直し
 ・短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大
 ・第3号被保険者制度の見直し
 ・産休期間中の保険料負担免除
 ・被用者年金の一元化
 ・デフレ下のマクロスライド経済スライド
 ・支給開始年齢の引き上げ
 ・標準報酬上限の引き上げ

 以上のことを2025年までに行い、現在の年金制度を手直しながら生かそうというものです。
 すこし内容の説明をします。

 最低保障の強化は低年金者対策です。
 現在老齢基礎年金の受給者は、平均月5.4万円を受けています。
 それを単身で年収65万円未満の人に対し、月額7万円と老齢基礎年金の平均月額5.4万円の差額1.6万円を加算するとしています。

 厚生年金の適用拡大は、増加する非正規労働者の所得保障を拡大することが目的です。
 適用条件を雇用保険と同等までに引き下げると、(一週間の所定労働時間が20時間以上、31日以上の雇用見込み)約400万人が新たに厚生年金に入ることになります。

 また、昭和60年改正で世帯単位の給付水準の適正化や年金権の確保という目的で導入された第3号制度ですが、不公平感の高まりや不整合記録問題が出てきたこともあり、見直しが検討されています。

 最後に支給開始年齢の引き上げについて、諸外国の開始年齢を紹介します。
 世界中でみると、そもそも年金制度が整っている国は先進国なのですが、引き上げは先進国共通の悩みとなっています。
 日  本 国民年金:65歳  厚生年金:60歳(今後順次引き上げ)
 アメリカ  66歳(2027年までに67歳に引き上げ)
 イギリス 男性:65歳 女性:60歳(今後2046年にかけて68歳に引き上げ)
 ドイツ 65歳(2029年までに67歳に引き上げ)
 フランス 60歳(2018年までに62歳に引き上げ)

 以上簡単ですが、紹介してみました。
 年金制度は老後の所得保障として、最低限ないと困るのですが、(もしもなかったら、65歳時に月15万円×12カ月×15年=2700万円を老後の生活費として用意しておかなくてはなりません!)今のままでは立ち行かなくなる可能性があります。
 ですから、日本の将来をになう若者・子どもたちのために、国民皆で真剣に考え議論を深め痛みを分かち合う必要があるのでしょうね。

特定社会保険労務士 堀江 玲子

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◇◆◇ 多様化する生命保険の加入チャネル ◇◆◇

 1868年に福沢諭吉が生命保険の制度を日本に持ち込んで以来143年、現在国内で営業する生命保険会社は47社にのぼります。
 その勢力図は戦前からの長い伝統を誇る「国内生保」、1996年の保険業法改正を機に損害保険会社が子会社形式で生命保険を販売するようになった「損保系生保」、世界でも有数の加入率を誇る日本の生命保険市場を狙い参入してきた「外資系生保」などに分けられます。
 最近ではインターネットにより加入できる「ネット生保」も登場していますが、しのぎを削る生保各社同様、その販売チャネルにおいても激しいシェアの争奪戦が繰り広げられています。

 平成22年に生命保険文化センタ−が実施した「生活保障に関する調査」によると、直近で加入した生命保険の加入チャネルは「営業職員」が51.7%と最も高く、ついで「郵便局の窓口や郵便局員」、「保険代理店」となっています。
 また今後加入したいチャネルへのアンケートでは、「営業職員」が42%と最も高いものの現状のシェアよりも10%近く低下しており、一方で「保険代理店」や「通信販売」、「銀行や証券会社」などのチャネルは現状より大幅にポイントを伸ばしています。

 従来生命保険の加入にあたっては、契約者がAという保険会社の営業職員(専属)を通してA社の生命保険に申し込みをするケースが大半でしたが、契約者がBという保険代理業者(複数の保険会社の商品を扱う)を通して生保各社の商品を比較検討し、C生命保険会社の商品に加入申し込みを行うといったケースが増える傾向にあることが前述の調査からも窺えます。

 週末に家族連れで賑わうショッピングモールでは、必ずと言って良いほど生命保険会社各社のキャラクターを並べた「保険ショップ」を見かけます。
 そこではまるで家電商品コーナーさながらの生保各社の商品が取り揃えられています。
 しかしながらどんなに多くの保険商品が揃っていたところで、その特徴について的確に説明できる「人」の存在が不可欠であることは言うまでもありません。
 多様化する販売チャネルの裏側では、各チャネルにおいて激しい「人」の争奪戦が行われていることも事実です。
 対極にある「ネット生保」の手法にも注目が集まります。

ファイナンシャルプランナー 江口 信也

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《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
■発 行  福岡☆リスク法務実務研究会
■メール  risk@riskhoumu.com
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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第61号 □■□
福岡☆リスク法務実務研究会
◇◆◇ 許認可の必要性について ◇◆◇

 皆さんが事業を行う際、国や県などから許可や認可を受けなければならない場合があります。
 日本国憲法では、職業選択の自由を定めており、国民はどのような事業を行うことにも制約をされないのが原則です。
 しかしながら、事業を行う事業主に一定の要件を課し、それを満たしていることを条件に許可や認可を出すことによって、利用者の保護や業務内容の向上を図かっています。
 まずは、事業を行う上で許可や認可を取得する必要があるのか否かを検討するところからスタートします。
 建設業を営んでいる事業主を例に挙げると、500万円以上の工事を請け負う場合には建設業許可が必要となります。
 すでに500万円以上の工事を請け負っている場合はもちろんのこと、今後500万円以上の工事を請け負う場合にも許可を取得する必要があります。
   許可が必要と判断した場合、建設業法の欠格事由に該当しないことを確認し、その後に許可の要件を満たしているかを確認していくことになります。

 建設業許可の場合では、
 1 人的要件・・・・・「経営業務管理責任者」と「専任技術者」がいるか。
 2 財産要件・・・・・500万円の銀行の残高証明書が用意できるか。(福岡県の場合)
 3 設備要件・・・・・独立した事務所があるか。
 4 その他の要件・・・誠実性などを確認し、これらすべての要件等を満たした場合、建設業許可を取得できることになります。
 このように、事業を行う上で許可や認可を取得しなければならない場合、しっかりと法令を遵守し、求められている要件を維持するために事業主が努力していく必要があります。
 また、最近では、事業を行うためだけではなく、金融機関で融資を受ける際に、許可や認可が必要な業種では許可証の提示を求められることがあります。
 許可や認可を取得することは、企業のコンプライアンスの確認事項のひとつとして必要性が増していると言えます。

 

行政書士 田村公隆

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《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
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