リスク法務実務研究会は、弁護士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、弁理士、ファイナンシャルプランナー、保険代理店等の各種専門家によって構成する任意団体です。
過去のメールマガジン
□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第80号 □■□
リスク法務実務研究会
◇◆◇ 商標に関するリスクマネージメント ◇◆◇
商標に関するリスクマネージメントについて簡単にお話をさせて頂きたいと思います。
商標とは、商品・サービスに使用するいわゆるトレードマークのことです。
商標は、商品の出所を表示する機能や他社の商品と区別する機能、品質を保証する機能などを有しているとされます。
自社ブランドとしての信用性は、まさに商標を通して蓄積されていくと言っても過言ではありません。
たとえば、「A」という商標の付された靴があるとしましょう。
商標「A」は、その靴のメーカーである出所を表示します。
この靴が一般消費者にとって品質のいい満足ある商品である場合、消費者は「A」という商標を目印に、「A」という商標の付された靴を買うようになります。
消費者にとってみれば、「A」という商標が付されているということにより、満足できる品質を有している商品だと信頼して安心して購入することができます。
商標法は、このような商標について、「商標権」という形で保護しています。
商品やサービスについて使用されていれば、文字のみならず、図形、記号、立体的形状も商標権の対象となりますし、これらの組み合わせや色彩との組み合わせも商標権の対象となります。
リスクマネージメントという観点から注意していただきたいのは、商標法は登録主義を採用しているため、設定登録しなければそもそも権利が発生しないという点です。
どんなに老舗会社でも、設定登録しなければ、長年その商標を使用しているという事実だけでは権利として保護されません。
また、先に出願をした者が優先するという点にも注意が必要です。
いざ登録しようとしても先に出願登録している者がいる場合には原則として登録できないのです。
よく耳にする話として、他社が自社の商標によく似たマークを品質の劣る商品に付して安価で販売するケースがあります。
また、実際の商標使用者とは全く無関係な第三者が先駆的に商標登録をするケースもあります。
このような事例において、仮に自社の商標が未登録の場合であっても、不正競争防止法に基づいて不正競争に該当するとの主張や、相手方の商標権は登録要件を欠いているなどの主張が一応は可能です。
しかし、それには時間や費用等がかかってしまいますし、必ず勝てるとも限りません。
一番の防衛策は、自社の要となる商標を登録して、権利化しておくことです。
権利化しておけば、第三者が勝手に自社の商標と同一又は類似の商標を使用している場合に商標権の侵害であると主張できますし、勝手に第三者により自社の商標を登録されるのを未然に防止することもできます。
御社の商標はリスクから守られていますか?これを機に今一度、見直しをされてはいかがでしょうか。
弁護士 園田 真紀
《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
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≪ご挨拶≫
いつもリスク法務実務家研究会の経営支援情報をご覧いただき、有難うございます。
本メルマガは、執筆者23名(現在)が毎週交代で執筆していますが、おかげさまで5巡目に入ります。
今後ともよろしくお願い致します。
────────────────────────────────────────────
≪書籍出版のお知らせ≫
先日、リスク法務実務研究会著『りすくのくすり相続特集』を出版致しました。
今回は、当研究会の安藤政明が書籍を出版致しましたので、お知らせ致します。
タイトル『解雇予告除外認定申請完全ガイド』
出版社 株式会社日本法令
著 者 特定社会保険労務士 安藤政明
定 価 2,415円
解雇予告除外認定申請の専門書は、おそらくわが国初めての書籍です。
詳しくは、次のサイトをご覧下さいませ。
http://www.horei.co.jp/shop/cgi-bin/shop_itemDetail.cgi?itemcd=2472235
□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第79号 □■□
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◇◆◇ 労働社会保険分野の男女差別 ◇◆◇
先月、公立中学校教諭であった妻を亡くした男性が、遺族補償年金の受給資格に男女で異なる取扱いをする規定を憲法違反として提訴した。
夫が公務災害で死亡した場合、妻には年齢と無関係に遺族補償年金が毎年支給されることになる。
しかし、妻が死亡した場合は、夫の受給資格は55歳以上とされ、54歳以下の場合は1000日分の一時金だけとなる。
民間事業所に適用される労災保険の場合も、ほぼ同様の規定となっている。
労働保険、社会保険制度には、「男女差別」が現在も多く存在する。
すべて、男性が被差別者であることが特徴である。
特に遺族給付関係は、配偶者ではなく「妻」であることを要件とする規定が目立つ。
労災だけでなく、国民年金の遺族基礎年金もそうである。
昨年、外貌に醜状が残った場合の障害等級に男女差があることが憲法違反として争われ、違法と判断されたことは記憶に新しい。
この結果、労災障害等級表は書き換えられ、外貌に醜状が残ったときの等級は、男女同一とすることに変更された。
今回の遺族補償年金についても、男女差を違法とする判断となることが予想される。
ところで、労働保険、社会保険の分野において、最大の男女差別は、おそらく老齢年金受給開始年齢であろう。
本年度満60歳になる者は、原則昭和26年生まれである。
生年月日が昭和26.4.2〜昭和27.4.1の期間中である者の老齢年金支給開始年齢は、報酬比例部分の老齢厚生年金の受給開始年齢は満60歳であり、定額部分の老齢厚生年金は支給されない。
これは男性の場合の話である。
女性の場合、同じ生年月日(昭和26.4.2〜昭和27.4.1)の場合、報酬比例部分の老齢厚生年金は同じく満60歳から支給開始だが、これに加えて定額部分の老齢厚生年金も満63歳から支給される。
報酬比例部分の老齢厚生年金も、段階的に支給開始年齢が引き上げられ、昭和36.4.2以降に生まれた者は完全に満65歳までは無年金となる。
これも男性の話で、女性の場合、完全に満65歳まで無年金となるのは、昭和41.4.2以降に生まれた者であり、5年の格差がある。
明確な男女差別だが、全体を女性基準に合わせると国家が破綻しかねない。
誰かが提訴する前に、政府が早期法改正を検討しなければならないはずであるが…
特定社会保険労務士 安藤 政明
《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
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◇◆◇ 最低賃金と生活保護 ◇◆◇
10月、地域別最低賃金額が改定されました。
全国平均は737円となり、前年度に比べ7円上昇。
最低賃金は厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会が7月末に目安を示し、その後、各都道府県の審議会で労使が地域の実情を踏まえて決定されます。
中央審議会が各地域で決めた今年の目安は全国平均で6円増の736円でしたが、各都道府県で審議した結果がそれを上回る上げ幅になりました。
ちなみに福岡県は695円です。
今回最も高い引き上げとなったのは神奈川県の18円。
次いで東京の16円、北海道の14円が大幅増額。
この結果9都道府県が生活保護と最低賃金とで逆転現象がみられていましたが、埼玉、東京、京都、大阪、兵庫、広島の6都府県で逆転が解消されることになりました。
逆転が残るのは北海道、宮城、神奈川の3道県。
毎年のことですが、生活保護の水準と比べ最低賃金が低い場合は最低賃金の是正が求められます。
生活保護給付は現在国民年金の満額支給より高水準です。
年金受給資格を得るためにまじめに保険料を長年納付してきた人より、1円も納付しなかった人の方が多額の給付を受けられるという大きな矛盾があります。
生活保護と最低賃金を単純に比較して、生活保護給付が高額である場合に、最低賃金を増額すべきだという考え方には疑問を感じます。
最低賃金の大幅な引き上げは、事業所にとって負担増で、雇用の抑制にも繋がる可能性も考えられます。
失業者の増加が生活保護の増加にも繋がって悪循環となる可能性も考えられます。
最低賃金の引き上げより、もっと事業所にとって雇用しやすい環境を整備することの方が、多くの国民の生活の安定に貢献できるはずだと考えます。
特定社会保険労務士 箭川 亜紀子
《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第77号 □■□
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◇◆◇ 国際裁判管轄〜民事訴訟法の一部改正 ◇◆◇
先日(といってもそろそろ半年前になりますが)、国際裁判管轄について民事訴訟法の規定が一部改正されたそうです。
民事訴訟法には、これまで、国際裁判管轄についての定めがありませんでした。
ですから、今回の改正によって初めて、いかなる場合に日本の裁判所が管轄を有するのかが条文上示されたことになります。
さて、なぜこのような規定が必要なのか、疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
日本における日本人間の事件であれば、(管轄が福岡地裁なのか東京地裁なのか等と問題になることはあっても)日本の裁判所で日本の法律にしたがって紛争解決が図られます。
ですが、日本人と外国人の間の事件や、外国における日本人間の事件等、何らかの外国的要素を含む事件(これを渉外事件と呼びます。)については、1.そもそも日本の裁判所に管轄があるのか、2.日本の裁判所に管轄があるとして、適用されるのはどこの国の法律か、という問題が発生します(このとき適用される法律のことを準拠法と言います。)。
今回の改正は、この1の問題について、定めを置いたことになります。
紛争当事者にとって、自国の裁判所で訴訟追行できるかどうかはとても大きな問題ですから、明文の規定が設けられて一定の見通しが立てられるようになったのは良かったと思います。(これまでは、「当事者間の公平や裁判の適正・迅速の理念により、条理に従って決定」されていました。)
今回の改正では、消費者契約や労働関係に関する訴えについての管轄も新たに定められ、本メルマガ読者にも関心のある方がおられるかも…と思い、簡単にではありますが紹介させて頂きました。
なお、上の2の準拠法の問題については、「法の適用に関する通則法」に従って判断がなされます。
弁護士 渡部 有紀
《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
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◇◆◇ 定期借家制度について ◇◆◇
皆さんは、ご自分の自宅や事務所がどういう賃貸借契約になっているか把握されていますか?
今回は、最近増えてきている「定期借家制度」についてお話させていただきます。
まず、この制度は平成11年12月に成立した「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」により、借地借家法が一部改正されたことによって導入された制度です。
この法律の目的は、以下の目的があるとされております。
地上げの合法化(債務を抱えたままの土地や建物の再開発の可能性を広げるため)
賃貸用のビルやマンションの中長期的な収益見通しを確実にする(不動産の流動化・証券化)
不動産賃貸借市場の活性化
賃貸事業者の利益率の上昇(契約内容で貸し手の意図したところの項目が多い)
では、普通借家契約でなく定期借家契約にはどのような特徴があるのでしょうか?
以下が定期借家契約の特徴です。
1.契約更新はなく、当初契約書内で定められた期間の満了をもって、契約は当然に終了する。
2.借家人が同じ建物を続けて借りる場合も、再契約する必要がある。
3.契約期間は、1年未満でも20年以上でも自由に決めることができる。
4.賃料の関する定め(2年ごとに家賃を10%値上げ等)は有効。賃料増減請求権を行使することはできない。
5.原則として、契約期間中の中途解約はできない。(200m2未満の居住用借家については例外規定あり)
この特徴を見ていただくとお分かりのとおり、貸主にとってのいい条件が多いです。
普通借家契約において1年で退去されると家賃収入が減額するのを防ぐ役割があったり、建物の建て替えや増改築が予定されていたりする場合は定期借家契約を利用する方が増えています。
ただ、借主にとってもメリットはあります。
同じ条件の物件であれば、定期借家を利用している物件の方が家賃や敷金が低く抑えられている傾向にあります。
これは、同じ家賃なら契約期間の満了時に原則引っ越しをしなければならない定期借家よりは、そのような心配のない普通借家を借りる側としては選ぶからです。
最も注意が必要な事案は、事業用として借りる場合、契約上の期間中は解約できませんのでご注意下さい。
借主が定期借家契約だと理解していなくて、営業不振のため解約を申し入れて、契約残存期間の賃貸料を一括請求されたり、保証金・権利金などの返還額の減額などペナルティを課すケースが増えておりますのでご注意下さい。
借りる側も用途に合わせて、どちらの契約がいいのかを検討する必要があると思われます。
また定期借家契約の成立要件として、書面による「定期借家」の説明がない場合や契約期間の定めと契約を更新しない旨が契約書に書いてない場合は、無効となるのでご注意下さい。
後日のトラブルを避けるのは、契約書を公正証書にしたり、契約書と別途、「定期建物賃貸借契約についての説明書」などを準備してその場で借主にしっかり説明するのがいいかと思われます。
賃貸借契約に関わらず、契約は最初が肝心といいますので、ぜひ慎重にご自分に合った契約を選んで下さい。
行政書士 和田 好史
《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
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◇◆◇ 保険会社での東日本大震災特別措置 ◇◆◇
平成23年3月11日の地震によって手続きや払込の猶予および手続きの簡素化を実施しておりまた。
1、更新契約(前契約と同一の契約条件)の手続き猶予
被害を受けた日(3/11又は3/12)から9月末までに満期日が到来する契約につき、被災日から9月末までに手続きをすれば、保険始期に遡って、「前契約と同一の契約条件」で更新することができる(契約は本人以外のお申し出者による代理人による続きも可能)。
2、保険料払込猶予
被災日から9月末日までに払込む保険料については被災日から9月末日までを限度に払込みを延期することができる。
3、震災により保険の対象の滅失にともなう失効・解約・取消、及び自動車保険の中断証明書発行の遡及手続き
4、更新契約(前契約と同一の契約条件以外)および契約内容変更の手続きの簡素化
前契約と同一の契約条件以外の更新および契約内容変更についても、ご契約者本人もしくは代理人からの電話による手続きを可能。
5、任意解約の手続きの簡素化
任意解約についても、ご契約者本人もしくは代理人からの電話による手続きを可能
6、自賠責固有の措置
道路運送車両法第61条2の規定に基づき伸長された自動車検査証の有効期限の満了日までに保険期限の満期日が到来する自賠責保険契約につきましては、満期日を過ぎてからでも、自動車検査証の有効期限の伸長期間内に同一車両に係る継続契約締結手続きを行うことで、継続契約が成立したものとする。
7、積立保険等固有の特例
保険証券・印鑑証明書・満期のご通知・公的証明書のコピーの提出を不要。
等の特別措置が取られていました。
株式会社エス・エイチ・イー・ライン 代表取締役 鷹尾 敏裕
《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第74号 □■□
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◇◆◇ 民事保全 ◇◆◇
皆さんは,民事保全という手続をご存知でしょうか。
民事保全とは,簡単に言いますと,これから裁判を行おうとする人が,将来裁判で認められる権利を確保(保全)するため,裁判に先立って行う手続のことです。
例を挙げますと,例えば,債権者(貸主)が債務者(借主)に100万円貸していたところ,期限が来ても返してくれないとします。
この場合,債権者としては,債務者を相手として貸金請求訴訟を提起することが考えられます。
そして,もし訴訟を提起する段階で,債務者に100万円の預金があることが分かっていれば,債権者は,その100万円の預金を将来強制執行してでも確保したいと考えるでしょう。
しかし,強制執行する為には貸金請求訴訟を提起して勝訴判決を得る必要がありますが,その前に債務者が預金を全部使ってしまうこともあります。
そこで,このような場合,債権者は,債務者が預金を引き出したりできないようにして,将来の強制執行の実現を確保するため,強制執行までの暫定的な手続として預金の仮差押をするのです。
これが民事保全手続です。
民事保全は,債務者に知られては意味をなさないことが多く,緊急性を有することが多いので,原則として秘密裏にかつ簡易迅速に行われます。
その代わり,債権者には担保を積むことが要求されます。
今挙げた例は,預金(債権)が対象でしたが,土地建物などの不動産や,家財道具などの動産に対する仮差押も考えられます。
また,民事保全には,上述の仮差押のほか,例えば,債権者(買主)が不動産の所有名義の移転をしてもらえないような場合に,債務者(売主)が他に処分できないようにするための仮処分というものもあります。
裁判は,訴訟に勝っても最終的に強制執行できなければ,絵に書いた餅に終わってしまいます。
その意味で,民事保全は将来の強制執行を実現するために極めて重要かつ有効な手続です。
しかし,民事保全は,上述のとおり債務者に秘密裏に簡易迅速な手続で行われるので,間違った保全がなされ,債務者に損害を与えることがあります。
そうすると,後日債務者から損害賠償請求を受けることもあります(担保はこのためのものでもあります。)ので,民事保全を行うかどうか慎重に判断してください。
弁護士 堀 繁造
《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)■発 行 福岡☆リスク法務実務研究会
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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第73号 □■□
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◇◆◇ 相続税・贈与税の見直し ◇◆◇
平成23年度税制改正大綱におきまして、相続税・贈与税はここ二十年余りで最も大幅な改正が予定されていました。
税率構造の見直しや基礎控除の引き下げなどです。
特に相続税の基礎控除の引き下げに関しましては、現行の「5,000万円+法定相続人×1,000万円」を「3,000万円+法定相続人×600万円」と実に4割減が予定されていました。
ところがねじれ国会や東日本大震災の影響でそのような大改正の審議が先送りされ、9月15日時点では、連帯納付義務や納税猶予特例の要件緩和など小幅な改正にとどまっています。
1.連帯納付義務の税負担軽減等
相続税の連帯納税義務者が連帯納付義務を履行する場合、本税と併せて延滞税の納付が求められていますが、原則、延滞税(14.6%)に代えて利子税(4.3%)とすることで、税負担の軽減が図られます。
また、税務署長が連帯納付義務者から相続税を徴収しようとする場合には、不意打ちを避けるため、連帯納付義務者に通知することが義務付けられます。
(適用関係)
平成23年6月30日囲碁に連帯納付義務が発生したものについて適用されます。
2.非上場株式等の納税猶予の要件緩和
非上場株式等にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度について、風俗営業会社等に該当してはならない特別関係会社の範囲が、認定会社と密接な関係をもつ「生計を一にする親族や特別の関係ある者等によりその株式等の過半数を保有する会社」に限定されます。
(適用関係)
平成23年6月30日以後の相続や贈与等について適用されます。
3.住宅取得等資金贈与の非課税等特例
直系尊属からの住宅取得等資金贈与の非課税特例、又は住宅取得等資金贈与の相続時精算課税の特例について、住宅の新築(贈与の翌年3月15日までが要件)に先行してその敷地とする土地等を取得する資金が対象となります。
(適用関係)
平成23年1月1日以後の贈与により取得する財産にかかる贈与税について適用されます。
税理士 服部康太郎
《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
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□■□ 『中小企業のための経営支援情報』第72号 □■□
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◇◆◇ 年金記録、確認しておきましょう。(漏れている記録はないですか?) ◇◆◇
年金記録問題で宙に浮いている年金記録が多数あると騒がれてからしばらく経ちますが、いまだに、記録漏れ、もらい忘れになっているもの、未確認の記録があり、全国の年金事務所(旧社会保険事務所)に問い合わせがあるようです。
よくある例として次のものがあります。
・女性の結婚前(旧制)の会社勤務期間の統合漏れ。(現在、年金番号は一本化されていますが、結婚前の厚生年金番号が別の番号で採番されていた。)
・結婚して配偶者の健康保険の扶養に入っているが、国民年金の第三号の手続きを忘れていた期間がある。(昭和61年4月1日以降)
・転職が多く、厚生年金番号が同一人物にもかかわらず、複数番号が存在している。
・国民年金保険料を納めていたにもかかわらず、年金記録上、未納付になっている。
・会社の給与明細で厚生年金保険料を控除されていたにもかかわらず、年金記録がない。
このような場合は全国の年金事務所にて確認をしてください。
2008年度よりねんきん特別便、ねんきん定期便、ねんきん受給者便と年金記録確認の資料が日本年金機構からお誕生日月に送付されておりますが、現在は35歳、45歳、58歳の方々は年金加入履歴等の詳細資料が送付されますが、それ以外の年齢の方々はこれまでの加入期間合計、過去1年間の年金加入および納付履歴等しか送付されません。
最新の年金加入履歴が必要な場合はお近くの年金事務所(旧社会保険事務所)にてご入手してください。
ただし、ご本人様以外の方が年金事務所にて確認される場合は委任状と本人確認書類(免許証等)が必要です。
また、年金事務所に行く時間がないと言われる方については自分の公的年金記録をインターネット上で確認できる、ねんきんネットというサービスもありますので、詳細については日本年金機構HPにて確認してください。
特定社会保険労務士 眞鍋 幸宏
《執筆メンバー》 弁護士4、税理士2、社会保険労務士6、行政書士3、司法書士1、不動産鑑定士1、土地家屋調査士1、ファイナンシャルプランナー2、保険代理業1(計21名)
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◇◆◇ 出版記念企画 ◇◆◇
リスク法務実務研究会の安藤です。
このたび、本会有志会員18名の共著で、書籍を出版致します。
出版社: 花乱社
定 価: 1,800円+消費税
発売予定日:平成23年10月1日
相続というテーマに関して、弁護士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士、一級FP技能士がそれぞれの専門的視点から執筆したものを集めた一冊です。
ちょっと珍しい書籍だと思います。
メルマガ読者の皆様に対し、日ごろのご愛読に感謝し、抽選で5名の方にプレゼントしたいと思います。
ふるってご応募下さいませ。
≪応募方法≫ 次の事項を記載して、メールにてご応募下さい。
※ いただいた個人情報は、抽選当選者への書籍発送以外の目的で使用することはありません。
※ メルマガのご感想、ご意見等については、リスク法務メルマガ、HP、ブログ等で使用させて頂く可能性があります。
※ 当選者への発送をもって、抽選結果発表にかえさせていただきます。
1氏名
2年齢
3職業
4メールアドレス
5書籍発送先住所
6リスク法務メルマガのご感想、ご意見等(簡単で結構です)
7リスク法務メルマガ執筆者で良いと思う執筆者がいればその氏名(省略可です)
・宛 先 m.ando@orion.ocn.ne.jp
・応募締切 平成23年10月3日(月)23時59分
特定社会保険労務士 安藤 政明
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