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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《平成27年2月号》
交通事故について 2

【初めに】
 皆様、こんにちは。行政書士の和田でございます。前回から、年始など慌ただしい時期に起こりがちな「交通事故」についてお話させていただきます。  交通事故を起こした時、あるいは事故に遭った時に、大きな関わりがあるのが自動車保険です。  今回は、そのあたりのことを中心にふれていきたいと思います。

【1.簡単な自動車保険のしくみ】
 まずは皆さんもご存知かと思いますが、簡単な自動車保険のしくみとは、ということをお話します。自動車保険には、強制保険(自賠責保険)と任意保険があります。その名のとおり、強制保険は自動車を所有する人すべてに加入が義務付けられています。任意保険は、保険会社が売り出している保険で、加入するか、しないかは自由です。ただし、個人的な意見で恐縮ですが、任意保険まで私はしっかり入るのが、車に乗る人の義務かと思います。例えば、被害者側に自分があるいは家族が巻き込まれた時に、何も補償がない、というのはあまりにも酷な話です。それを他人に対しても出来るのか、ということを考えた時には、答えがおのずと出てくると私は思っております。
 話が少しそれてしまいましたが、自動車保険のしくみとしては、自賠責保険は被害者の最低限の補償を確保するためのもので、それでも足りない部分を補うのが任意保険です。そして、保険金の請求は原則、加害者請求ですが、被害者も請求することが出来ます。(加害者と折り合いがつかない場合や加害者が不誠実な対応の場合等)

【2.強制保険(自賠責保険)と任意保険の簡単な説明】
 では、簡単に自賠責保険と任意保険の内容についてふれていきます。先ほども申し上げたとおり、自賠法に基づき、自動車の持ち主は強制的に自賠責保険への加入が義務づけられています。内容としては、対人賠償に限られ、物損事故の補償はしません。自賠法によって、傷害事故では120万円、死亡事故では3,000万円(後遺障害は4,000万円)まで加害者の支払い能力を保障し、被害者が賠償を受けられるようになっています。また、仮渡金という制度もあり、賠償額の確定までに時間がかかるような場合、被害者は、治療費や葬儀費など当面の出費にあてるため、加害者の加入している保険会社に保険金の前払いを請求することが出来ます。
 任意保険は、保険会社が売り出している自動車保険ですので、保証する範囲も様々です。基本的には、前述の自賠責保険でカバー出来ないものや物損(車の修理や衝突した壁等の弁償等)を補ってくれるものです。また大きな任意保険のメリットの一つとして、示談代行付きのものが多いということです。今は「弁護士特約」というものもありますので、基本的なところでは保険会社が被害者と示談交渉をしてもらえたり、訴訟等になってもその契約があれば弁護士さんが訴訟に応じてくれますので、万が一、加害者になってしまった時は便利です。

【3.免責事由と時効】
 自賠責保険は被害者をなるべく広く救済しようという目的のものですから、免責事由は非常に制限されていますので、まず免責はないと考えていいのですが、任意保険の場合、自賠責保険に比べて免責事由が多いので、加入する時によく検討しておいて下さい。
 また、保険金請求権には時効があります。もちろん時効が成立した後で請求しても保険金は当然支払われません。自賠責保険、任意保険ともに時効は2年です。起算点は、加害者が請求は被害者に賠償金を支払った時、被害者請求は事故発生の時となっています。  事故は自分が起こさなくても、突然やってくるものです。万が一、被害者あるいは加害者になっても「保険」というものをまず頭に浮かべ、正しい知識で上手く利用して下さい。

 次回は、交通事故の紛争解決方法や自動車保険についてお話させていただきます。

回答者 行政書士 和田 好史
和田法務事務所
行政書士 和田 好史
福岡市中央区渡辺通り5-15-6縄田ビル1F
TEL092-752-6116 FAX092-752-6116 
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