【初めに】
今回も、引き続き「食欲の秋」ということで、多くなっている野外イベントでの飲食店の「臨時営業許可」についてです。提供する食品や施設について、少し細かいところまでお伝えできたらと思います。
【販売・提供できる食品】
許可対象業種 | 取り扱い食品及びその条件 | 例 |
喫茶店営業 | 簡易な調理加工を行い、供食直前に 十分加熱して出来る食品に限る。 | 焼き鳥、焼きそば、たこ焼き、コロッケ、 フライドポテト、フランクフルトなど |
菓子製造業 | 簡易な調理加工により提供出来 るもので、削氷や砕氷(密閉構造の 自動削氷・砕氷機を使用するもの)や アイスクリーム類の小分け販売、飲み物 (コーヒー、紅茶など原則として加熱して 提供出来るもの)に限る。 | かき氷、アイスクリーム、ホットドリンク、 ジュースなど |
アイスクリーム類製造業 | 殺菌液状ミックスを原料として製造 するソフトクリームに限る。 | 液状のソフトクリーム (専用の機械を使用したもの) |
魚肉ねり製品製造業 | すり身を原料として成形したものを 単に加熱して提供出来る魚肉ねり 製品に限る | さつまあげ、ちくわなど |
【臨時営業に必要な設備】
安全で衛生的な施設設営のための基準が以下のとおりあります。その施設基準を満たさないと臨時営業の許可はおりません。ご注意下さい。
○構 造 → 雨風を防ぐことのできる屋根付きの構造で、正面以外の三方を覆うこと。
○給水・消毒液設備 → ポリタンクに蛇口をつけた流水式の手洗い設備、36リットル以上(18リットルのポリタンク2個以上)の手洗い用の水、薬用石けん、アルコールスプレーなどの消毒液
○排水・廃棄設備 → 排水用のバケツ(排水の受けとして)、ごみ箱
○保管設備 → 容器などを入れるふた付きの保管箱
○食器類 → 使い捨ての容器のみ
○その他 → ペーパータオル、使い捨てのふきんなど
これら上記の設備がテント内に備えつけられていないといけません。その他、作業代や焼き台、冷蔵庫(または温度計入りクーラーボックス)なども必要かと思います。
【当日の検査】
イベント当日、保健所の担当者との検査の際には、営業者もしくは食品衛生責任者(出店者側)とイベント主催者(食品部門担当者)などが立ち会って下さい。さらに、なるべく保健所に申請した人も立ち会いに参加しておいた方がいいです。なぜなら、細かい設備等を保健所の担当者に分かりやすく説明できるからです。その時に、施設基準に適合しない場合や申請されていない食品、申請どおりの調理工程でない場合には許可が下りないのでご注意下さい。
以上が申請できる細かい食品や必要設備の説明です。次回は、食中毒の事例等をご紹介します。
回答者 行政書士 和田 好史
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