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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《平成28年12月号》
イベント等の「臨時営業許可」について 3

【初めに】
 今回も、引き続き、イベントごとが多い秋ということで、野外における飲食店の「臨時営業許可」についてです。今回は、具体的な食中毒の例をいくつかご紹介したいと思います。

【黄色ブドウ球菌】
 例)屋外でのイベントで「ステーキ弁当」を食べた11人が嘔吐や下痢などの症状を発症する食中毒事故が発生。出店していた店は営業停止処分を受けました。調査の結果、販売されていた「ステーキ弁当」から黄色ブドウ球菌が検出されました。
 ○原因は?・・・手の甲に火傷をしていた調理人が、手袋をはずして調理して、火傷の傷から、肉やつけ合わせ等にブドウ球菌が付着し、食中毒を起こすのに必要な量の毒素が増えてしまったことが考えられます。
 ○黄色ブドウ球菌とは?・・・自然界に分布していて、人の皮膚、化膿創などの傷口、喉等にも存在する常在菌。
 ☆予防方法は?・・・手や指に傷がある人や手あれがある人は、調理をしない。
 十分に手や指をアルコール液やスプレー等で消毒してから調理する。調理器具(まな板・包丁等)もよく洗い、熱湯やアルコールスプレー等で殺菌する。  手をふく時は、前かけやタオルではなく、ペーパータオルを使用する。
 食品を室温で長時間放置しない。

【ノロウイルス】
  例)もちつき大会で、もちを食べた150人が嘔吐や下痢などの症状を発症する食中毒事故が発生。調査の結果、もちつき作業中に手や指を介して汚染されたもちを食べたことによる、ノロウイルス食中毒と断定されました。
 ○原因は?・・・もちつき作業は手返しやもちを丸めるなど、もちに直接手が触れる作業工程が多くあります。これらの作業を行った人の手や指等から汚染が原因と考えられます。
 ○ノロウイルスとは?・・・人の便や吐物、二枚貝に存在して、少量のウイルスでも発症します。
 ☆予防方法は?・・・調理に従事する人の体調管理を徹底する。(嘔吐や下痢等の症状がある時は調理をしない)
 調理時はもちろん「帰宅した時」、「トイレの後」など手洗いの徹底。
 まな板や包丁など調理器具を、事前に熱湯などでよく洗い殺菌する。(85℃、1分以上の加熱で菌は死滅します)

【カンピロバクター】
 例)学園祭の実行委員の学生20人が、嘔吐や下痢、発熱などの症状を発症する食中毒事故が発生。学園際は中止となりました。調査の結果、準備の会合のため、居酒屋で鶏のささみなどを食べ、カンピロバクター食中毒を発症したと断定。食事を提供した居酒屋を営業停止処分としました。
 →イベント自体が原因ではない例です。
 ○原因は?・・・カンピロバクターに汚染された鶏肉を生または加熱が不十分な状態で食べたことが原因と考えられます。
 ○カンピロバクターとは?・・・鶏や牛などの腸管内に存在し、少量で感染します。ペットからの接触感染の事例もあります。加熱や空気に長時間触れることで死滅します。
 ☆予防方法は?・・・食肉などを冷蔵庫に保存する時は、他の食品と分ける。調理時には十分加熱する。
 調理する人は、肉を触った後、必ず手を洗う。
 以上が身近にある食中毒の事例です。せっかくの楽しいイベントで事故が起こることで中止になったり、参加店さんに営業停止などの処分があると本当に残念な気分になりますから、十分気をつけましょう。
 突然ではありますが、私の月1回のメルマガは、今回で最後となりました。長い間、ご覧になっていただいてありがとうございました。また違う専門職の方がメルマガに参加されますので、ご期待下さい!

回答者 行政書士 和田 好史
和田法務事務所
行政書士 和田 好史
福岡市中央区渡辺通り5-15-6縄田ビル1F
TEL092-752-6116 FAX092-752-6116 
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