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【就業規則と特例事業場】
法定労働時間の「原則」は、週40 時間・1 日8 時間です。しかし、飲食店を含む一部の事業について、常用労働者数10 人未満である場合に限り「特例事業場」として法定労働時間は週44 時間・1 日8 時間とされます。
問題は、「常用労働者」の意味です。これは正社員だけをいうのではなく、所定労働時間の長短を問わず臨時的な労働者を除くすべての労働者数をいいます。貴社の場合、正社員2 名に加えてパート8 〜 9 名ということなので、常用労働者数は10 人以上に該当すると考えられます。
この時点で、就業規則を作成し、届け出ていないことが労働基準法違反となります。特例事業場にも当たりませんから、週40 時間を超えた部分の残業代未払いについても労働基準法違反です。その前に、法定労働時間を超えて時間外労働をさせるためには、労働者数が10 人未満であっても時間外休日労働協定を締結して労働基準監督署に届出なければなりません。これも労働基準法違反です。
【1カ月変形制の適用】
10 人以上なので、1 カ月単位の変形労働時間制は就業規則に定めて労働基準監督署に届出て実施しなければなりません。これだけで1 カ月単位の変形労働時間制の適用は認められません。仮に過去3 年以内に10 人未満だった時期があったとしても、「就業規則に準じるもの」で定める必要(又は労使協定を締結して労働基準監督署に届出)があります。口頭で伝えただけでは、本人の納得の有無を問わず変形労働時間制の適用は認められません。
仮に就業規則に定めて届出ていたとしても、1 カ月単位の変形労働時間制は「所定労働日」と「所定労働日ごとの始業終業時刻」をあらかじめ特定し、特定した所定労働時間を超えた時間を時間外として算定しなければなりません。「1 カ月の合計労働時間数」で残業代計算すること自体が完全に誤りです。
【臨検】
労働基準監督官による調査を、臨検といいます。@就業規則作成届け出ていないこと、A時間外休日労働協定を届け出ていないこと、B適正に残業代を支払っていないこと、を指摘されることは間違いないと考えられます。@Aはこれから届出することで是正できますが、Bについては遡って残業代を支払う必要があります。時効3 年ですから、もしかしたら想像以上に大きな額となる可能性が考えられます。
もう一点気になるのが、店長が管理監督者にあたるかどうかです。客観的に見て
店長には経営者と一体的な立場にある労働者と言えるような実態とそれに見合った賃金が支払われていたでしょうか。いただいたご質問の文章だけでは判断できませんが、もし明らかに管理監督者に該当しないと判断される場合は、店長の分も3 年分遡って残業代を支払わなければならなくなる可能性が考えられます。
貴社に悪気等はなかったと思います。しかし現在の状況は、労働法を無視して経営してきたことの結果です。これを機に是正して、逆にチャンスとして将来につなげていただきたいと思います。
回答者 特定社会保険労務士 安藤 政明
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