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【同一労働同一賃金ガイドライン】
令和8 年10 月に、同一労働同一賃金ガイドラインが改正されます。ガイドラインの改正であって、法改正ではありません。主にこれまでの最高裁判所による判例を反映させた目安のようなものを文書化したものだと考えていただくとよいかと思います。従って、9 月までは認められたものが10 月から認められなくなるというような性格のものではなく、これまでも裁判になればそのように判断されたであろうという内容です。
【諸手当について】
諸手当は、法律上何一つ支給義務がありません。支給する場合は、その支給目的・性質等を事業所が裁量で定めて支給することになります。事業所の裁量に基づきますが、いったん支給することになれば「正社員だけ」「パートは不支給」という差別は認められません。その手当について、支給の目的・性質に照らして公平に取り扱うことが求められるのです。一つずつ、見ていきます。
▽役職手当:お考えのとおり、役職任命した者に対し、その役職に応じた仕事や責任等に対する支給と思われます。実態として役職任命されていない者が役職者と同様の仕事をし、また責任を負っているようなケースでもない限り、役職任命した者だけに支給して問題ないと考えられます。
▽健康手当:名称は健康手当ですが、内容は皆勤手当です。仕事の内容等と無関係の手当で、無遅刻無早退無欠勤かどうかで判断されますから、正社員だけに支給することは不合理な差別的取扱いとなります。今後はパートに対しても支給する方向でご対応下さい。なお、支給額は所定労働時間数等に応じて相違があって構いません。
▽家族手当:これも仕事の内容と無関係で、対象となる子を扶養しているかどうかで支給する手当です。悩ましいのが、「扶養」の定義方法です。単に生計同一だけでなく、従業員の収入によって生計維持されていることを求めていると思われます。このあたりの基準を明確にすることで、いわゆる「扶養範囲内のパート」は支給対象としないことは認められると解されます。合理的な基準を定め、その基準に従って対応することが基本になると思われます。
▽住宅手当:これも仕事の内容と無関係で、賃貸住宅の家賃支払いの有無が基準となる手当ですね。単に「家賃支払い」だけでなく、実質的な家賃支払者であるとか、何らかの基準を定める必要があると考えられます(家賃月10 万円で、パート給与が月6〜 8 万円等のケースもあり得ます。)。たとえば、転居を伴う異動があり、実際に転居した場合に限って支給する基準とすれば明確で合理的です。ただ現時点の支給対象者に対する経過措置等の検討が必要不可欠となります。
【明確な合法・違法の基準はない】
以上のとおり、やや曖昧な回答になりました。その理由は、そもそも法律上明確な基準がないことが理由です。法律上は、「不合理」な「差別的取扱い」が禁止されているだけであって、どこまでが合法でどこからが違法というような具体的な基準は明示されていないのです。
認識すべき事項は、「パートだから」という理由で支給対象者から外すことが許されないということです。個々の手当の支給目的・性質によって正社員・パートの区分とは無関係に該当する者には支給するという対応が求められます。
回答者 特定社会保険労務士 安藤 政明
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