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【試用期間中の解雇】
試用期間中であっても、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、無効とされます。言い替えますと、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる解雇であれば、有効です。
試用期間中は、本採用後と比較すると、一定程度解雇が認められやすい期間とされています。但し、あくまでも「一定程度」であって、大幅に認められやすいというわけではありません。この「一定程度」についても、明確な基準があるわけではないので、個々の事案毎に慎重な対応が必要となります。
【欠勤】
雇用契約は、労働者の立場では所定労働日について所定労働時間を労働するという契約です。欠勤することは、まさしく契約違反にあたります。原則は契約違反ですが、欠勤することに「正当な理由」が認められれば、違反に対する責任を免じられることになります。
貴社の場合、「体調不良」という連絡を受け、これを認めているようです。ということは、客観的には「正当な理由」として認めているように見えてしまいます。残る問題は、「試用期間中であるにもかかわらず欠勤が多い」という点です。
【本人への通知】
試用期間中であっても、入社14 日を過ぎれば解雇予告(30 日前予告、又は30 日分以上の予告手当支払)が必要とされます。試用期間3 カ月なので、入社2 カ月満了前に解雇通知をしておきたいところです。もうあまり時間がありません。
欠勤が多くても、本採用せず解雇することについてあらかじめ通知することなく解雇すれば、裁判所はなかなか解雇を有効と認めません。まずは、すぐにでも本人に対し、「今後も欠勤するようであれば、試用期間で雇用契約を打ち切る」ことを通知してください。それでも欠勤を繰り返すのなら、2 カ月満了時点で解雇通知してください。
一方で、これだけ体調不良による欠勤が多いわけですから、「本当に働かせて良いのか」という安全配慮上の問題もあります。就業可能であることを証明する医師による診断書の提出を求めるべきでしょう。これまで求めていなかったわけですから、「次回欠勤したとき」という条件が妥当だと思われます。本人が診断書提出を嫌い、一気に真面目に出勤するようになる可能性も考えられます。今更真面目に出勤しても解雇方針は変わらないのであれば、次回欠勤を待たず診断書提出を命じることも選択肢の一つかもしれません。
貴社方針として既に「退職させること」が確定しているのであれば、試用期間満了を待たずに退職勧奨することも考えられます。仮に退職勧奨する場合でも、その前に「欠勤が多いので試用期間満了後の本採用は難しい状態」という通知をしておくべきです。理由は主に二つで、�@通知により自己都合退職する可能性があること、�A退職勧奨しても応じない可能性があること(退職勧奨拒否後に試用期間満了解雇を通知すると、「拒否に対する報復」と主張される可能性も考えられる)です。
相手が「人間」なので、あらゆる可能性を視野にご検討ください。
回答者 特定社会保険労務士 安藤 政明
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