【はじめに】
今月は土地の交換の説明をします。
土地の交換とは下記のような場合をいいます。
図の例で解説します。点線が1番と2番の実際の境界であるとします。
その1番、2番の土地を分筆1、分筆2に分けてそれぞれ1番の土地の分筆2、2番の土地に分筆1の土地を移転登記します。
この場合、分筆1と、分筆2の面積が同一で価値が一緒であれば交換での原因で移転登記することができます。土地の形などが不整形地であった等、隣接地の方と協議してお互い同意ができれば可能な業務です。
特に、福岡市あたりでみかけられるのが、口約束のみで交換をしてしまっている場合です。
また上記の図で説明します。実際の境界は点線の境界線であるのに実線の部分にお互い共同してブロック塀を構築していることがあります。
不動産登記法では、境界は口約束での変動は許されておりませんので、登記と実際の一致をするには分筆して移転登記をしなければなりません。
何もせずに相続が発生した場合は、もっとややこしいことになりかねませんので、早い解決を進めておいたほうが良いと考えます。
以下は交換の関係で国税庁のホームページより抜粋したものを記載します。
No.3502 土地建物の交換をしたときの特例
[平成25年4月1日現在法令等]
1 制度の概要
個人が、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときは、譲渡がなかったものとする特例があり、これを固定資産の交換の特例といいます。
2 特例を受けるための適用要件
(1) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも固定資産であること。
不動産業者などが販売のために所有している土地などの資産(棚卸資産)は、特例の対象になりません。
(2) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物のように互いに同じ種類の資産であること。
この場合、借地権は土地の種類に含まれ、建物に附属する設備及び構築物は建物の種類に含まれます。
(3) 交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること。
(4) 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと。
(5) 交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
この用途については、次のように区分されます。
交換譲渡資産の種類とその用途区分の表 |
交換譲渡資産の種類 | 区分 |
土地 | 宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他 |
建物 | 居住用、店舗又は事務所用、工場用、倉庫用、その他用 |
(6) 交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内であること。
3 注意事項
(1) この特例が受けられる場合でも、交換に伴って相手方から金銭などの交換差金を受け取ったときは、その交換差金が所得税の課税対象になります。
(2) この特例を受けるためには、確定申告書に所定の事項を記載の上、譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]を添付して提出する必要があります。
【おわりに】
実際の税務にいたっては税理士にご相談頂きたいと思います。
今月は以上です。
回答者 土地家屋調査士 福田 憲太郎
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