土地家屋調査士の仕事って?

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福岡!企業!元気!土地建物のワンポイント 《平成29年1月号》
境界杭、図面がない場合のリスク

 今月は土地の境界杭、または精度が高い図面がない場合のリスクについて説明したいと思います。
 まず、最初に建物を新築することで考えてみましょう。建物を建てる時は建築確認申請を行わないといけません。
 建築確認申請には建築基準法を言う法律に基づいた建物でないと建てられません。
 建築基準法上で建ぺい率、容積率という土地に対しての利用範囲が定められています。登記簿の面積は例えば100uと記載されていても実際には95uしかない場合は、その95uの範囲の建ぺい率、容積率で建物を建てないといけません。

 境界がない場合に登記簿を信じて建ぺい率、容積率いっぱいで建築してしまうと、いつのまにか建築基準法違反に自動的になってしまいます。
 よって境界を設置して正しい面積で建築しない大変なリスクを背負う事になります。このあたりはその不動産を売却する場合等に判明しますので、不動産評価減、買主の住宅ローン不可物件になる恐れがあります。

 次に境界杭がない場合のブロック塀等の構造物設置についてです。ブロック塀を設置する時は隣地と話し合い設置しますが、境界はブロック塀の中心であったり、片方側に設置したりします。
 この場合もブロック塀を設置した時、境界がはっきりしていなかったりすると、後日、きちんと測量したときにブロック塀と境界が思っていた所と違う場合があります。
 この場合、最悪な自体で考えるとブロック塀の撤去、それから改めてブロック塀の工事を行うことになります。
 境界杭がなく、更に精度が高い図面などがない場合は、このようなリスクを負うことになります。気をつけましょう。

 今月は以上です。

回答者 土地家屋調査士 福田 憲太郎
福田土地家屋調査士事務所
土地家屋調査士 福田 憲太郎
福岡市対馬小路4-1-101
TEL092-263-5051 FAX092-263-5041
HP: http://www.tochi-con.jp
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