土地家屋調査士の仕事って?

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福岡!企業!元気!土地建物のワンポイント 《平成30年4月号》
境界立会で立会を拒否された場合

 今回は境界の立会を拒否された場合について考えてみます。
 依頼のあった土地境界の測量を行って、例えば、隣接する土地が4件あった場合で1件が立ち会ってくれない場合の業務の進め方を考えます。

1. 立会をなぜ拒否されているか
そもそも、手紙などを送っていても何の音沙汰もない。忙しいと言って立会をしてくれない、立会をする気がない、わからないから立会しない、など立会をする説明の場の条件が揃わない場合にどうするか。
上記の場合は何回も訪問、手紙などを繰り返し行って理解してもらうことから始まります。通常、理解していただければ、立会をし、業務が完了することがおおいです。できなければ、3番、4番の手続きをすることになります。

2. 立会をしたが、境界の場所に異議がある、もともと境界に紛争がある、相手に対して協力したくない、などの場合は境界確定訴訟や筆界特定に頼り、境界を確定する方法になると思われます。稀に、境界の問題などが解決し確定訴訟や筆界特定に至らない場合もあります。これも隣接する土地の所有者の理解が相当に必要になります。

3. 次に上記の確定訴訟ですが、これは裁判所に訴える方法でその土地の境界の所有権の範囲と実際の境界を争うことになる場合が多いです。当然、相応の時間がかかります。

4. 最後に筆界特定ですが、通常の処理期間は6ヶ月ほどかかりますので、すぐに境界が決まることはありません。

5. 以上のように、土地の境界を決めるだけでも大変な時間や費用がかかることがありますので、土地の売却をする場合の測量に関しては、注意することがあるということを覚えておきましょう。
 今月は以上です。

回答者 土地家屋調査士 福田 憲太郎
福田土地家屋調査士事務所
土地家屋調査士 福田 憲太郎
福岡市対馬小路4-1-101
TEL092-263-5051 FAX092-263-5041
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