税金ワンポイント

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福岡!企業!元気!のための税金ワンポイント 《令和元年12月号》
固定資産の取得価額B

15,集中生産を行う等のための機械装置の移設費(法基通7-3-12)
 集中生産又はよりよい立地条件において生産を行う等のため一の事業場の機械装置を他の事業場に移設した場合又はガスタンク,鍛圧プレス等多額の据付費を要する機械装置を移設した場合(措置法第65条の2《収用換地等の場合の所得の特別控除》に規定する収用換地等に伴い移設した場合を除きます。)には,運賃,据付費等その移設に要した費用(解体費を除きます。以下7−3−12において「移設費」といいます。)の額はその機械装置(当該機械装置に係る資本的支出を含みます。以下7−3−12において同じです。)の取得価額に算入し,当該機械装置の移設直前の帳簿価額のうちに含まれている据付費(以下7−3−12において「旧据付費」といいます。)に相当する金額は,損金の額に算入します。この場合において,その移設費の額の合計額が当該機械装置の移設直前の帳簿価額の10%に相当する金額以下であるときは,旧据付費に相当する金額を損金の額に算入しないで、当該移設費の額をその移設をした日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。  (注) 主として新規の生産設備の導入に伴って行う既存の生産設備の配置換えのためにする移設は,原則として集中生産又はよりよい立地条件において生産を行う等のための移設には当たりません。

16,出願権を取得するための費用(法基通7-3-15)
 法人が他から出願権(工業所有権に関し特許又は登録を受ける権利をいいます。)を取得した場合のその取得の対価については,無形固定資産に準じて当該出願権の目的たる工業所有権の耐用年数により償却することができますが,その出願により工業所有権の登録があったときは,当該出願権の未償却残額(工業所有権を取得するために要した費用があるときは,その費用の額を加算した金額)に相当する金額を当該工業所有権の取得価額とします。

17,自己の製作に係るソフトウエアの取得価額等(法基通7-3-15の2)
 自己の製作に係るソフトウエアの取得価額については,令第54条第1項第2号の規定に基づき,当該ソフトウエアの製作のために要した原材料費,労務費及び経費の額並びに当該ソフトウエアを事業の用に供するために直接要した費用の額の合計額となります。
 この場合,その取得価額については適正な原価計算に基づき算定することとなりますが,法人が,原価の集計,配賦等につき,合理的であると認められる方法により継続して計算している場合には,これが認められます。
(注) 他の者から購入したソフトウエアについて,そのソフトウエアの導入に当たって必要とされる設定作業及び自社の仕様に合わせるために行う付随的な修正作業等の費用の額は,当該ソフトウエアの取得価額に算入することになります。

18,ソフトウエアの取得価額に算入しないことができる費用(法基通7-3-15の3)
 次に掲げるような費用の額は,ソフトウエアの取得価額に算入しないことができます。(1) 自己の製作に係るソフトウエアの製作計画の変更等により,いわゆる仕損じがあったため不要となったことが明らかなものに係る費用の額
 (2) 研究開発費の額(自社利用のソフトウエアについては,その利用により将来の収益獲得又は費用削減にならないことが明らかなものに限ります。)
 (3) 製作等のために要した間接費,付随費用等で,その費用の額の合計額が少額(その製作原価のおおむね3%以内の金額)であるもの

19,資本的支出の取得価額の特例の適用関係(法基通7-3-15の4)
 法人のした資本的支出につき,令第55条第2項,第4項又は第5項《資本的支出の取得価額の特例》の規定を適用し,取得価額及び償却限度額の計算をした場合には,その後において,7−4−2の2《転用した追加償却資産に係る償却限度額等》による場合などを除き,これらの資本的支出を分離して別々に償却することはできません。

20,3以上の追加償却資産がある場合の新規取得とされる減価償却資産(法基通7-3-15の5)
 法人が,令第55条第4項《資本的支出の取得価額の特例》に規定する追加償却資産(以下この章において「追加償却資産」といいます。)について同条第5項の規定を適用する場合において,当該追加償却資産のうち種類及び耐用年数を同じくするものが3以上あるときは,各追加償却資産の帳簿価額をいずれかの組み合わせにより合計するかは,当該法人の選択によることになります。

                                 以上

回答者 税理士 鵜池 隆充
鵜池隆充税理士事務所 税理士鵜池隆充
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