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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和8年3月号》
カスタマーハラスメント対策入門24

カスタマーハラスメント対応 従業員への配慮の具体例

 カスハラが発生した場合、会社がとるべき対応について検討したいと思います。
 カスハラに限らず、クレーマーが発生するということを完全に予防することは不可能です。もっとも、「カスハラお断り」のポスターを掲出する、防犯カメラを設置するということは一定の抑止にはなるかと思います。
 しかしながら、例えば、学校のようなところで、カスハラお断りといっても、文句をいう人物がいなくなるとは考えられないのです。

 会社で安全配慮義務として対応を検討するのは、カスハラが発生した事後対応が中心となると思います。
 ここで、安全配慮義務違反と認定されやすい事例を検討します。
 ・カスハラの発生から、一人の担当者のみが対応している
 ・当該担当者から精神的苦痛の訴えがあっても、担当者の変更がない
 ・カスハラの結果、長時間の労働となっている
 ・産業医の面談、休職、通院を認めない
 ・セクハラ、暴力を受けているのに、二人だけで会わなければならない  

 随分と酷い会社のように見えますが、実際には小人数の会社であれば、対応するしかありません。できることならば、一人に負荷がかかっているのであれば、担当者を変更する、上司が対応するということが必要になってきます。
 また、長時間労働にならないように、他の仕事を軽減させるなどの配慮も考えられるところです。
 通院についても、配慮をすることが考えられます。
 このような対応によっても、担当者は精神的苦痛で体調不良を招くかもしれません。しかし、これはカスハラ加害者の責任によるのであって、雇い主としては、できるだけの対応をしているというべきです。その場合には、安全配慮義務違反は認定されない、企業の責任は回避できるというべきです。

                                            以上

 本説明は本原稿掲載日(令和8年2月)時点の情報により記載され、適切に更新されていない可能性がありますので、ご注意下さい。

回答者 弁護士 小川 剛
小川・橘法律事務所
810-0041福岡市中央区大名2-4-22新日本ビル8F
電話092-771-1200 FAX 092-771-1233
HP  http://t-o-law.com/
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