おもしろ知財ツアー

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福岡!企業!元気!のための法律ワンポイント 《令和8年4月号》
おもしろ知財ツアー112

 弁理士の高松宏行です。円安が進行する中、海外での物販を計画されている方々が多いと思います。自社の商品を守るためには海外でも特許や商標などの知的財産権を取得した方が望ましいですが、コストもそれなりにかかります。今回は、海外で知的財産権を取得する場合に活用できる外国出願補助金について説明します。

INPUT
 INPIT(インピット)は、日本の独立行政法人工業所有権情報・研修館(National Center for Industrial Property Information and Training)の略称で、経済産業省所管の組織です。
 今年は年4回に分けて公募されていますが、毎年ほぼ同じです。
補助対象経費

 補助対象経費は上に示したとおりで、例えばアメリカに商標登録出願するときに、アメリカの代理人(弁理士)に支払う費用が該当します。ここでは、代理人費用、法定印紙代(海外の特許庁に納める費用)、翻訳が挙げられています。実際には、日本の企業・事業者が直接アメリカの代理人に手続を依頼するのではなく、日本の代理人を通します。従いまして、日本の代理人費用も補助対象経費に含まれます。
 補助対象は、日本に特許出願・意匠出願・商標出願した案件が対象になります。
 特定の海外国に直接出願する場合、特許に関しては日本の特許出願日から1年以内に海外に出願手続を行う必要があります。
 PCTという制度を利用する場合、日本の特許出願日から1年以内にPCT出願し、そこから1年以上は権利が欲しい国を選んで国ごとに手続(国内移行手続と呼びます)ができます。
 PCTを簡単に説明すると、1つの出願(PCT出願)により、約158ヶ国ある締結国に対して、同時に、発明の特許保護を求めることが可能となる制度です。日本の出願日から30カ月以内に権利が欲しい国に国内移行手続を行う必要がありますが、そのときの費用が補助されるので、PCTルートの方が時間的な余裕があります。
 商標の場合は、日本で登録・出願中のいずれであっても構わず、日本出願の時期的な制限がありませんので、利用される方は多いです。  補助金事業の流れは次のとおりです。

事業の流れ

 大企業以外は補助金制度を利用できますので(個人事業主でもOK)、海外展開を計画中の方々は是非、この補助金制度をご活用ください。

 今月は以上です。

回答者 弁理士 高松 宏行
高松特許事務所
弁理士 高松 宏行
〒810-0041 福岡県福岡市中央区大名2-4-30 西鉄赤坂ビル7F
電話092-711-1707 FAX 092-711-0946
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